“この子のハンディキャップは外国人とのハーフであることです”(1月号から)この言葉を発した人がハーフという事実を本当にハンディキャップだと思っていたわけではなく、親代わりになって育てている子の前途への心遣いからの一言でした。
希望のために 「笑満は私たちが必ず迎えにくる」そう決心したものの、笑満との養子縁組は、私たちを含めてこの縁組に携わった全ての人々にとって、施設の子供を養子にして海外に連れて行こうとすることが前例のないことで、全く白紙の状況からこの取り組みは始まりました。もっとも日本国内において施設の子供を養子にする、または親代わりの里親になるということに関しては、全体の件数は少ないものの行政でしっかりしたレールが引かれ、養親の安定した生活基盤と確固とした決意があれば然程困難ではありません。 私たちに立ちはだかった最初の壁、それは二人とも日本に在住していないこと。住んでいないので住民票がなく里親登録が出来ないことでした。“まりあ”へ初めて訪問した時、「施設の子供との養子縁組を希望するなら、まず岐阜市の“子相”(子供相談所)で里親登録をしなさい」と言われ、さっそく足を運びましたが、予想通り住民票がなければ里親登録は無理、従って一般的な方法で養子縁組を進める道はこれで途切れました。 この段階で私たちと笑満の物語は“The End”ということにもなりうる状況でした。それが今思い起こすと、なぜ笑満に関わった皆さんがここまで親身になってくれたのか…、笑満は施設にいる子供の一人に過ぎません。それなのに「この方法がダメならあの方法を」とみんなが昼夜を問わず動き回って解決策を見出しました。それは“まりあ”のスタッフに限らず子供相談所のお役人、そして極め付けは家庭裁判所の裁判官までもが、難しい言葉でならべられた規則の行間をすり抜けるようにして難関を突破していったのでした。
青木信哉 Aoki USA, Inc. 代表 & 翻訳家 今までの連載は、www.aoki-usa.com で読むことができます。 |